ぬくぬく不落猫王チャシマン
どの部屋にも気配がないので風呂場を覗いてみたら、いました。
仲良くあったかそうねぇ。ぬくぬくな雰囲気が見ていてもいい感じ。
しばらく経っても一向に出てくる気配がない。もう一度覗いてみる。
「なんか用? カメラ落ち着かないからやめて欲しいんだけど」
退去を命じられてしまったのだった。それも視線で。しくしく。
☆ ☆ ☆
金曜夕方に白龍ちゃんをトリミングサロンに預け、夜帰宅したらところで私の体内電池は残り10%を切っていた。そして真夜中過ぎに切れた。
土曜日はやはり起きたり眠ったりを繰り返し(3食とおやつだけはしっかり摂った)、気がついたら日曜朝になっていた。
朝風呂に入っていると、"風呂場ぬくぬく"がマイブームなチャシマンちび助が風呂場のドアを開けてやってきた。私が湯船に入っているのを見て、自分は蓋の上に乗るつもりだったんだろう(蓋なんてないのに)、湯船の上にヒョイっとジャンプした。
あっ!
あ〜とうとうチャシマンも"風呂ドボン"な不名誉な思い出を刻んじゃうのね、入浴剤の柚子の香りをプンプンさせて"まだら子"ともちゃんに「どうしたの?」って尋ねられるのね、空に還った黒猫ヒロノシンも檜の香りの湯船に落ちたことがあったよねぇ、それよりもパニックしたチャシマンをどう救出してどのタオルで拭くかな......。
頭の中をいろんな考えが超速で駆け巡った。湯船から出る体勢に入ろうとしたところで、私は目を見張り、ちょっと感動(そしてちょっと落胆)した。
結論からいうと、チャシマンはオレンジ色の風呂の湯に落ちなかったのだ。ジャンプしてすぐ、蓋がないことに気がついた。右前足は一瞬お湯につかりかけたんだけど、後ろ足を湯船の縁に置き、必死で体の重心を後ろに戻そうとした。でも、それではダメだと思ったらしく、今度は後ろ足で私とは逆の方向にジャンプして向こう側の縁に着地したのだ。
一瞬のことだった。
目を見張る私の方に振り返り、目が合うと「ウェ〜!ウワァ!」と文句を言ってチャシマンは出ていった。「蓋してないなら先に言ってよ、ったく」という感じだったんだろう。
しかし、立派。お見事。落ちなかったね。「ぬくぬく不落猫王(ふらくびょうおう)」という名前をあげましょう。
風呂から出て人間チャシマンに話したら、「あー、ずんぐりむっくりした体型だから、重心を戻しやすかったんだよ」「ヒロノシンはスマートだったから、重心戻しにくかったんだよね」。
チャシマン同士はクールなのだった。
(Feb. 12th 09:46am)