朝陽がなくても & 無謀な挑戦
「りりしいんですよ、ボカァ」「朝陽がなくても」
君の場合、りりしいというより人相が悪いという噂もありましたよ。
「......ッフン」
「お母ちゃん、アタシも」
「キリッとしてるでしょ?」
うん、キリッとしてる。頭の向こうにさっき口から落としたカリカリのかけらが写っちゃってるけどね。
「......ギクッ」
という6月はじめの日曜の朝なのだった。
☆ ☆ ☆
昨日(土曜)の朝は朝9時半に家を出て、マンション前からバスに乗って銀座へ向かった。目的は9月に予定されている発表会への参加申し込み。フルートの小曲を2つ、舞台の上で、人様の前で、演奏しようという挑戦です。
引っ越しや白龍(ハクロン)ちゃんのお世話などで一時中断もしたけれど、実は細々と続けている。去年の秋から通っている教室はハープ教室と併設で(そちらの方がメーンっぽい)、発表会の伴奏はピアノではなくハープだし、なかなかない経験だから頑張ってみようかなと思っちゃったのだった。
しかし、ハープの人たちはやる気満々の方たちで発表会も毎回受け付け初日にハープの人たちでほぼ定員が埋まってしまうという人気ぶり。その熱意があまりにすごくて、年2回ある発表会も1回しか出られない(1回出ると1回おやすみしなくてはならない)というルールさえあった。しかし、今年秋からは年1回ルールが撤廃されるという。
というわけでダメ元でトライしてみようと考えた"純真な黒猫ルナちゃん"な私だったのだった(すみません、しつこくて。でも、それくらいルナちゃんにやられちゃっているのです)。
(写真はリンクの記事から)
家を出て停留所に着いたら即バスが来て、週末の朝で道も空いているから銀座4丁目のバス停までスーイスイ。20分足らずで教室のあるビルへ到着した。入ってすぐのエレベータホールでは教室の人が整理券を配っている。受付開始10分前だというのに私が手にしたのはソロ・デュオの部の7番目。ひょえ〜!
エレベータで教室に上がると、ロビーはもう何人もの人がいる。さらに次々とやる気満々な雰囲気の人たちがやってくる。確かに、すごい。すごいぞほんとに。
順番がきて申し込み用紙を提出して参加費を払って帰路についた。しかし、あのやる気満々、熱気満々な人たちの中で私は気後れせずにちゃんと曲を演奏できるのだろうか?と既に気後れしている私。ノルウェージャンフォレストキャットとかメーンクーンとかのゴージャスモッフモフ系でやる気満々、百戦錬磨な猫さんたちの大群の中に紛れ込んでしまった子猫のルナちゃんのような気持ち。ほんとに。
帰りのバスでは一番後ろのシートにぽつんとうずくまり、ふるふると震えながら帰宅した。ほんの1時間の朝のお出かけで、一日のエネルギーを使い果たしてしまったのだった。
ほんとに、実に無謀な挑戦だったかも。う、うーん。
(9:00am on June 4th, 2017)