茶トラ坊主とサビ柄お嬢ちゃまの猫2匹と暮らす日々。トラちゃんことヒトの子(娘)と夫もおりますです♪

もう年はとれない

ドイツ現地時間の7月29日午後5時、目的地に着きました。

BOB(バイエルン高原鉄道)でミュンヘン中央駅から約1時間のFischerhausen Neuhausに。

 

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(写真はBOBのウェブサイトから)

 

駅から歩いて10分弱の宿泊先"青少年の家"へチェックイン。カトリックの修道会が運営する施設で、ここで30日から1週間余りの弦楽ワークショップが開かれるのだ。

 

29日には少しずつ参加者が集まり始めて、1年ぶりの再会に興奮する子どもたち。すみません、私はもうすでに疲れております(苦笑)。

 

さすがに博論をまとめて提出して、その他の雑用をこなして日本を出る直前はちゃんと寝てなかったので、心身ともに影響が出ております。ワークショップ参加中に天命を知るべき誕生日を迎えちゃうので、若い頃みたいにピンシャンできなくても当たり前か...。

 

でもね、今更ながらなんですが、博論を出せて本当によかった。本当に精神的に楽になったのだから。

 

その変化の一つがこれ。

 

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私はミステリー小説が好きなのだけれど、もう何年も読めずにいた。

仕事をしながら精神保健福祉士養成の大学(通信教育課程)に通った影響もあっただろう。研究職しながら、精神障害者の施設で実習したり、働いたりもしていたから。

 

でも、それだけではなかったと思う。

「ハクロン」は目に見えない重石として心の中に存在していて、ミステリー小説を読む心のゆとりを奪っていたのだと思う。あるいは自分で取り組もうと決めた目標を放ったらかしておいて、楽しむなんて不謹慎だと思ってたのかな(の割にはTVの海外ミステリードラマは見てたけど)。いや、やっぱり心のゆとりを奪われていたんだろう。

 

先週金曜夕方に正式に教授のGOサインが出て、土曜日の午後にこの本を買った。1年以上も前から気になりながら、ようやく本屋で実物を手にして1123円を払った。週末に博論の最後のまとめをしながら心身はヘトヘトだったけれど、部屋の隅にあるこの本を見ると気持ちは軽やかになった。


月曜午後に博論の提出手続きを終えた後は、ホッと脱力しながら、読めるぞ~!と嬉しかったのだ。

 

ドイツに向かう飛行機の中で読み始め、1時間半ほど前に読み終わった。サクサクと読み進みながら、もちろん面白い内容だからというのもあるんだけれど、自分の心が解放されて自由になった証拠のような気がして、嬉しかった。確かに心の中がかるくなっている。

 

大学を卒業して社会に出て、"不惑"にして大学院に進学し、試行錯誤と蛇行を繰り返しながら人生の軌道修正をして10年。ようやく、次のステップに進めるような気がしている。ようやく"修業の時"は終わったという感じとでもいえばいいだろうか。

 

スマートじゃなくていいから、このミステリーの主人公のように潔く生きられたらいいな。

 

時差ボケのおかげでコントロールできない眠気に翻弄されながらも、ちょっと清々しい40代最後の土曜日の朝なのだった。

 

(July 29th 05:23@Neuhaus=12:23@Tokyo)

http://tabbyandmarble.hateblo.jp/