エイリアン? イクラ? 猿の惑星?
前回の続き。
未確認生物だと思っていたのだけれど、箱に開いた穴から覗いているのは実は闇に浮かんだイクラだという説が浮上した。
離れてみても暗闇の中にハッキリクッキリと浮かび上がるふたつのイクラ......。
が、しかし、中にいたのはイクラではなくやっぱりエイリアン、じゃなくてエイリニャン? それとも猿?な様相を呈する玄関ホールの巨大ダンボールだったのだった。
猿である可能性がどんどん大きくなっていくのだった。すると......。
「どこが猿だよ、どこがエイリニャンだよ、くだらないこと言ってないで早く出してくれよ!」と、癇癪を起こしてダンボールを食い破り始めたチャシマンちび助なのだった。
「箱の上を開けて閉じてないなら、教えといて欲しいよね。でなけりゃ分かるようにしといてくれないと...ったく」
救出された後、ダンボール箱の中身を支えていた部品にはまり込んで心を鎮めようと努める"チャシー"なのだった。
☆ ☆ ☆
ある荷物が送られてきた時に入っていた大きなダンボール箱。入ろうと思えば大人が立った状態で肩まですっぽり収まってしまうほどの大きさと高さがあった。
しばらく開けずにそのままにしておいたら、ちび助は嬉しそうに上に乗って寝転び嬉しそうに高みの見物をしていたのだ。
そして必要に応じて中身が取り出され、ゴミに出すまでの間に、上が開いているのも忘れて(開けて中身を出すのも横で見ていたのに)上に飛び乗ろり、そのまま深い箱の底に落ちてしまった訳なのだった。
しばらく和んでいたものの飽きてしまい、しかし外に出ようとしても出られず(箱の上は蓋をした状態に見えたらしい)、そのうち中から箱を食い破りだしだのだった。
上に乗ってまったりするつもりが、間違って中に落ちたのが恥ずかしかったのか、「どうした?出たいの?」と近寄ると、中で正座して動かなくなり、イクラのような目だけが覗く。そのまま放っておくと再び食いちぎり始める。声をかけると静かになって目だけが光る。放っておくとまたガシガシかじり始める...の繰り返し。
見かねて箱を倒してやると「フンッ、フンッ、フンッ」と荒い鼻息を発しながら飛び出してきて、しばらく不機嫌そうだったチャシー。マーダこと"まだら子"ともちゃんが救出にも様子を伺いにも来てくれなかったことも不満らしかった。
エイリニャンでもイクラでもなく、単なるちょっと鈍臭かった茶縞柄の猫男満7歳なのだった。
そうです、チャシマンは満7歳になったのだった。やれやれ。
(at 00:25am on Sep. 6th, 2017)