茶トラ坊主とサビ柄お嬢ちゃまの猫2匹と暮らす日々。トラちゃんことヒトの子(娘)と夫もおりますです♪

身分違い?の恋だけど


ベランダの前でたそがれる二人。
待っててもあのヒトは来ない〜♪

飽きたのか、説教に懲りたのか、
あれからカラスはとんと来ない。
Tabby、Marbleのちび&とも組も
楽しみにしているというのに…。

カラスといえば…。

まだ元号が昭和だったころ(!)
私は地方から上京した女子学生。
井伊直弼の子孫の元別荘地にある
修道会の学生寮で暮らしていた。
(入れられていたという方が正確)

門から寮は100mの桜並木で結ばれ
敷地内には広大な日本庭園もある。
寮の四隅にそれぞれ番犬が飼われ、
10時の門限を破ったら週末は謹慎。
条件だけみたら深窓のお嬢な私達。

厳しい男子禁制の園だったけれど、
実は有名なカップルが住んでいた。
それが実は猫とカラスだったのだ。

敷地に住む猫が散歩に出かける。
するとどこからともなく現れて、
後ろをついて歩いていくカラス。
嫌がって猫はわざと茂みに入る。

カラスは頑張ってみるけど厳しい。
しばらく立ち尽くし諦めて樹上へ。
そこで目を凝らし猫の行方を探す。
発見すると一目散に舞い降りて、
またいそいそと後を追って歩く。
気づいた猫はまた茂みに入る…。
そんな繰り返し。

一見薄汚れたただのデブ猫なのに、
どこがいいのか本当に好きなのね。
見かける度にしみじみと思った。

そんなある日。

青空の下に広がる草っ原を、
ふたりが並んで歩いていた。
前にデブ猫、後ろにカラス。
だだっ広い原っぱを黙々と。
まっすぐ歩いたかと思うと、
曲がったり戻ったりしつつ、
とにかく一緒に歩いていく。

ふと立ち止まった猫がバタン。
すぐ横にカラスも座り込んだ。
そして、そのまま目をつぶる。
なんと一緒に昼寝を始めた!
とっても幸せそうに見えた。
特にカラスは満足げだった。
私も幸せな気持ちになった。

あの小春日和の記憶があるから
カラスが好きなんだろうな…。


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