キリッとごまかす皆既月食の夜、そしてバイオリン
Tabbyこと「ちび助」君、今日はそうきましたか。
パリッとした様子で正座してるね、ハンサムだね。
だけど、そこテーブルの上だよ。
真面目なオレを演出してもダメ。
下りて。おーりーて!
テーブル脇の椅子ではMarbleこと「ともえ」嬢。
凛々しい顔で寝転んでるのね。カッコいいねぇ。
でも、気をぬくとまた滑り落ちるよ気をつけて。
と、なぜかキリッと決めているニャンズ。
☆ ☆ ☆
夜は娘とバイオリンコンサートだった。
五嶋みどりによる現代曲ばかり6作品。
皆既月食の夜に独特な調べが会場に響く。
最寄り駅に向かう途中で17時半過ぎ。
オレンジ色でまん丸。
会場のサントリーホールの手前で。
18時半過ぎ。
白い月の左下が欠け始めてた。
コンサート後に六本木一丁目駅そばで。
21時25分頃。
白い月の右端がまだ少し欠けていた。
肉眼OKでもiPhoneカメラでは厳しい。
五嶋みどりはすごかった(五月ではない)。
私は弾けないけどモダンが難しいことは分かる。
それも、録音した電子音とのコラボがあったり、
ギターピックを使って三味線のように弾いたり、
古典ではあり得ないギギギ音主体の楽章もあり。
サントリーホールHPから |
途中休憩20分を除いて2時間みっちり。
妊娠で夏の公演はキャンセルしたとの話。
12月の公演も全てキャンセルだと聞いた。
なのにぺたんこお腹だし(そこですか)、
ピアニストと共にとにかくすごい集中力。
あそこまで真面目にストイックに一筋に
取り組んでいくのはただごとじゃない。
どれだけの困難を超えてきたんだろう。
すごい人だなぁと素直に思った。感動。
半面、ちょっとうらやましい気持ちも。
が、しかし、かかし…。
そんな凡人らしいおセンチなハートは
ビシッ、バシッと打ち砕かれたのだ。
ぎっしり、みっしりのプログラム中、
左隣に座ったおじいちゃんが喋る喋る。
「え、そんな弾き方があるのか」
(プログラムに書いてあるよ)
「ほぉ、そう来たか、すごいな」
(どう来ると思ってたの?)
「ピアニスト、何をしているんだ」
(支柱を叩くと書いてますよ)
「フン、フン、フン、フ〜ン」
(お願いよ、静かに聞いて〜)
アンコール演奏がなかったことと、
このおじいちゃんの隣だったこと、
正直それがちょっと残念でした!!!
でも、なかなかないコンサートだったし、
滅多にない体験(そうそうあると困る)、
じゃ、ま、いっか、ということで。