首相官邸ネズミ捕獲長

私たちの仕事は「気まま」よん

　週末、あることを猫にお願いしてみたのだけれど、全く明後日の方向にコトは進んでしまい、はかない夢というか希望で終わってしまったのだった。猫だもんね仕方ないか。と、TabbyとMarbleこと「ちび助&ともえ」＝写真＝が寝転がっている姿を見て思いなおす。

　が、しかし……。世の中には国家公務員として正式に雇用され、職責を果たす猫たちもいるのだった。

フレイヤ嬢

　その名も「首相官邸ネズミ捕獲長」。英語ではChief Mouser to the Cabinet Officeというらしい。イギリスのダウニング街10番地にある英国首相官邸に勤務し、名前通りネズミを捕るのが主な仕事。ちゃんとお給料ももらっている。

　現職はフレイヤ嬢＝２枚目の写真＝という、ジョージ・オズボーン財務大臣の猫らしい。前任者はデービッド・キャメロン首相の猫ラリー君だったのだけれど、職務に対し不熱心な様子が報道されるようになり（目の前をネズミが走っていったのに知らん顔だったとか）、更迭されてヒラの捕獲員に。代わりにフレイア嬢が就任したんだとか。

ラリー（左）VS フレイヤ

フレイヤ嬢はなかなかワイルドな性格で、前任者ラリー君とのバトル＝写真＝を報じられたことも。就任当初は「外で暮らした経験があり、職務遂行能力の高さが期待されている」と言われていた。ところが、就任後も家出をしたり、かと思うと首相官邸のほか外務省や財務省といった中枢機関に出入りしようとしたりするもんだから、2013年夏には某国のスパイなのではという疑惑が浮上した。


　のんびり一カ所（首相官邸）で昼寝しているのが大好きなラリー君と、気が強くて散歩や狩りが好きなフレイヤ嬢。早い話がどっちも典型的な猫で、仲良くたってたまにはバトルもやるだろう。なのに、けんかの仲裁におまわりさんが呼ばれたとか、やる気があるとかないとか、彼らのエピソードを細々と報道するなんて、暇なんだか下僕体質なんだか、といいつつ、親近感を覚えてしまうのだった。

【おことわり】フレイヤ嬢とラリー君の写真はウェブ上から拝借しました